【アオブダイ】フグ毒より危険?ブダイ科の食中毒で女性亡くなる。沖縄での食べ方とは
2017/06/27
2015年2月18日に宮崎県の70代女性がブダイ科のお魚「アオブダイ」を煮付けにして食べ、亡くなったとの報道がありました。原因は食中毒との事ですが・・・。
●フグ毒を超える危険度
魚で毒といえばフグ毒などが有名かと思いますが、実はブダイ科の魚の内臓にはフグ毒として知られる「テトロドトキシン」のなんと40倍~80倍の「パリトキシン」という猛毒が含まれているそうです。
「パリトキシン」の強さを分かりやすく表すと、体重50kgの動物の場合、わずか0.0125mgを摂取しただけで半数が亡くなるほど強力だそうです。恐ろしいですね・・・。
この毒性を利用して、ハワイの先住民族は矢毒として用いていたと言われているそうです。
●体内に猛毒を持つプロセス
なぜこのような毒性を持つようになったのかは以下のプロセスであると考えられています。
1.一部の藻類がこの毒を生産
2.「スナギンチャク」がその藻類を体内に取り込む(共生)
3.スナギンチャクを捕食するブダイの内臓にパリトキシンが蓄積する
つまり、ブダイはパリトキシンを気付かず摂取しているわけですね・・・。
過去にもこのアオブダイによる事故事例は多くあり、九州地方が主になっているようですが東京湾にもアオブダイはいるようです。
厚生労働省からは販売自粛を指導するよう通達がなされているそうな・・・。
●下ごしらえによって避けられる?
ここまでの話だとただの危険生物ですが、沖縄の住民によると
沖縄県ではアオブダイを食べて食中毒を起こす事象はなく、普通に市場で売られていて刺身でも煮付けでも食べる。沖縄で食べるから心配ないのではなく、有毒部分を傷つけることなく取り出してしっかり処理しているからなのです。ご家庭で調理される場合は、内臓に傷をつけずに取り出してから調理することが大切です。
との情報も。
「販売自粛なんて知るか!アオブダイをどうしても食べたい!」というチャレンジャーはフグと同様に猛毒が含まれている事をきちんと理解した上で自己責任!・・・ですね。